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2008.06.23 Monday
原作もどうぞ
![]() 新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫) 宮尾 登美子 大河ドラマの原作である『天璋院篤姫』を私は中学生の時に一度読んでいるんですがその時は家定がどうも好きになれなかったのです。ドラマの家定は虚けを装う飄々とした人物ですが原作の家定はひたすら気弱で泣いてばかりなんですよ。でも、篤姫のところにはちゃんと十日に一度とか通ってくるんです。そして「御台には誠にあいすまぬ」とか言いながらしくしく泣くんですね。で、そんな家定を篤姫は嫌いになるどころか『家定さまってカワイイ』とか『おいたわしい・・・』なんて想っているんです。それがどうも納得いかなかくてイライラしてました。こんなヘナヘナ男のどこがいいワケ?って。 今回読み返してみるとドラマには会話の中くらいしか登場しませんが篤姫には病弱の兄がいてお父さんもまた病弱。家族の中で健康なのってお幸の方と篤姫だけなんです。篤姫は病弱な男たちを見慣れていたんだなってことで篤姫が家定を嫌悪しなかったのがよく分かりました。篤姫にとって『男』というものは頼るべきものではなくて『支える』べきものだった、ということが繰り返し語られているんです。篤姫が家定に愛情を感じても違和感がないように書かれている。大人になって読み返すと家定は毒殺に脅えていてノイローゼになってもおかしくない状況だということが分かるし、篤姫が家定への愛情と薩摩の養父との間の板ばさみで苦しむ箇所は思わず読み込んでしまいました。それに原作では一緒にお花見したりとか、カステラを焼いてもらったりとか、結構仲良く打ち解けているんです。苦しむ家定を介抱したりもしていて、寧ろ、ドラマよりも二人のラブ度は高いので、そういった意味でも読んでいて楽しかったりします。なので原作もぜひどうぞ。 大河は原作とは家定の人物描写が全く違うし、篤姫もよりお転婆な感じになっています。でも、篤姫が家定への情愛と薩摩の斉彬の密命との狭間で苦しむという展開は同じで、ドラマには原作には表立ってない本寿院との確執なども入れてきてより強調されています。(原作では和宮との確執がメイン) 今回は篤姫は本寿院の画策により家定と引き離されます。最初に過労で倒れて気がついた時の家定は「御台に私は無事だと伝えよ」と言う。この時点でもう虚けじゃないじゃん・・・って感じ。それは周りも気づいていて「上様はこの頃お変わりになった」と語る滝山。今回、可哀想なのは篤姫ではなくおしがだと思う。せっかく家定の傍にいることが許されても家定が求めているのは篤姫で自分は身代わり・・・と理解している訳ですから更には「私は御台に逢いたいのだ!」なんて言われたら・・・可哀想過ぎる 家定の命は年表的には後僅かなので二人があとどのくらい絆を深めることができるかが問題です。堺さんは「篤姫が『私は徳川の女』と腹をくくるきっかけには家定への愛情があったと思う」とインタビューで語っていましたが、今回も謂わばその布石。引き離されなければ篤姫は家定への身も細るほどの想いを思い知らされなかっただろうし家定は死ぬまで篤姫に「御台がいなければこの世から色が消えたようじゃ・・・我らは気が合うのう」という台詞を言わなかった。ここでお互いに愛があることを確信させなければ次回からの二人の政治的な立場での食い違いが生きてこない。愛があるからこそ篤姫は次回苦しむ訳ですから。 でも、慶喜って原作では「今の時代、誰がなっても将軍なんてうまくいくわけないしー。だるいっていうかー」みたいな無責任な態度で篤姫が泣くほど苦しむほどの男じゃないんだよなー。なんか篤姫の涙がもったいないっていうか・・・。 とにかく家定と篤姫のほのぼのラブが楽しみで見ているこちらとしては、次回も仲直りで落着させてほしいってことだけが希望です。間違っても仲たがいしたまま家定が倒れる、とかやめてほしい・・・。 |































